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平成日本紀行

日本一周の旅の記録を、各地ごとにまとめ記載しています、

旅、旅行について(Ⅰ)、

旅、旅行について


  旅について(Ⅰ)、









北の果て、礼文島のストコン岬





「旅」という文字を三つも重ねて書くと、「旅」という字・・!、こんな字が有ったかな・・?、と不思議に見えてくる。 
更に、『旅』という字をバラバラにすると、「方」という字に「人」という文字が三つ入っているのが判る。 
何とも意味ありげな文字である。

そう云えば、古典落語に三代目・三遊亭金馬師匠が演じた【三人旅】:(さんにんたび)というのが有ったっけ。  
何でも十返舎一九の『東海道中膝栗毛』になぞらえて作ったと云われている。

無論、御承知の方も多いと思うが「東海道中膝栗毛」という内容は、
江戸神田八丁堀に住む、栃面屋弥次郎兵衛(とちめんや やじろべえ、通称ヤジさん)と食客喜多八(しょっかく きたはち、通称キタさん)が、厄落としのためにお伊勢参りを思い立ち、東海道を江戸から伊勢神宮、京都、大坂へと上っていく様子を、狂言や小咄(こばなし)を交えながら描き出した滑稽話である。
各地の名物や失敗談がふんだんに織り込まれ、二人のコンビは、俗に「弥次喜多(やじきた)」と呼ばれている。弥次、喜多が大坂よりさらに西に向かい、「讃岐の金刀比羅宮」、「安芸の宮島」、更には「信濃善光寺」を経て江戸へ戻るまでが書かれている。
なお、「膝栗毛」とは膝を栗毛の馬の代用とするという意から、徒歩で旅行するという意味である。 
よって、「東海道中膝栗毛」とは自分の足を栗毛の馬に見立て、東海道を歩いていくの意味である。
一般に、小説や漫画、映画では、「弥次喜多珍道中」の題でも有名である。


 
  さて、「熟年」になった今日・・、
  
今、団塊の時代と言われて久しいが、60歳の定年期を迎えて第2の人生を歩もうとする時、これほど最大のキッカケはないのである。
 例えば旅のことである。
 「旅はカンフル剤」」といったのは著名な作家・五木寛之であるが、旅というのは日常空間から、日常住み慣れた地域から先ず飛び出す事から始まる。   
或いはヒョットすると、旅の中で第二の人生を発見出来るかもしれないのである。
  
「たび(旅)」の語源は不定であるが、その意味上の共通性やアクセントの面から、「とぶ(飛)」との関係や、度数を表わす「たび(度)」が「たび(旅)」が転じたものともいう。 
英語でいう「トラベル」とは旅行のことで、普通にはツアー会社の旅行を想像するが、トラベルという英語の語源は「トラベイユ」(労苦、苦労の意味)、フランス語の語源「トラベラー」(拷問の意味)に近い状態であるという。 
ラテン語の語源では、なんと「拷問、拷問のための責め具、拷問台」という意味もあるという。 

それを受けて「つらいこと」や「苦しみ」という意に派生し、現在では「旅」という意味を持つに至っているという。 尤もで、一昔は「旅」というのは自分の脚で歩いて移動したものであって、そこには多大な苦労や苦痛があった筈である。
然るに、語源の「トラベイユ」というのは納得なのである。
 
又、「可愛い子には旅をさせよ」という諺を例にとってみても、旅というものに対する前途多難さや、若者もしくは学を志す者たちのとって「旅」とは何らかの苦行から切り離せない意味合いが含まれているということも感じ取れる。 旅が、我々に楽しみや喜びだけを付与する存在であるとは言い切ることはできないのである。

  
近年よく耳にする「自分探しの旅」という言葉から連想されるように、異なる土地の住む人々の文化に触れるということは、新たな自分の居場所を探し出すことや、もしくは自己の存在を再確認するためのものでもあるともいう。
 
メディアによる影響力が膨大である今日、旅は観光と同義語のように扱われ、単なる憧憬や追体験によって好奇心を満たすだけの手段と位置付けられているようにも解釈できそうであるが、それだけではない。本来は、喜びを伴うものであり、それと同時に苦しみを伴うものでもあるはずであろう。


続きます、




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