平成日本紀行(179) 浜田 「石州瓦」
「日本の世界遺産の旅の記録」へリンクします
平成日本紀行(179) 浜田 「石州瓦」 .
浜田の石州瓦屋根が並ぶ町並み風景
石州瓦は、冬の風雪に耐えながら、この地方独特の風情と景観を醸し出している・・、
特に、島根県に入って目に入ったものは、海の青、山の緑に相まって、人家の屋根の色が赤茶色が主体となって独特のコントラストを描き、風情をなしている。
この色鮮やかな瓦は、大阪の瓦職人が伝えたという「石州瓦」である。
日本に瓦が誕生したのは、仏教とともに百済国より伝来したのに始まるといわれ、奈良・飛鳥寺建設の時、日本初の瓦葺き屋根の建物が誕生したという。
山陰地方では石見の国に因んで特に「石州瓦」といい、飛鳥時代の石見の国・国分寺(現、浜田市国分町、金蔵寺)の建立に始まり、江戸時代初期、浜田城築城や城下町建設に造られたのが基となったと言われる。
石州瓦は独特の「赤瓦」として注目を浴び、山陰はおろか北前船によって北陸から北海道にまで運ばれたという。
粘土瓦の三大産地として三州瓦、石州瓦、淡路瓦がある。
三州瓦は、愛知県三河地方で生産されている瓦で、こちらの生産量は日本一である。
石州瓦は島根県中西部、石見地方で生産されている瓦で、高い温度で焼き上げているため、硬くて耐寒性に優れた瓦だという。
次に、淡路瓦は、兵庫県の淡路島で生産されている瓦で、いぶし瓦の生産量ではトップであるという。
石州瓦と他産地の瓦との大きな違いは、原料となる粘土にあるといい、石州の粘土は鉄分の少ない粘土質(耐火性粘土・白土)のため、高温(1200度)で焼く事ができ、そのため焼き締まって硬く、水を吸いにくく、寒さにも強い瓦ができるという。
特に、海岸付近に多い塩害にも強く、風化しにくいと。
山陰地方では赤瓦の町並みが連なり、冬の風雪に耐えながら、この地方独特の風情と景観を醸し出しているのである。
2005年10月、浜田市、旭町、金城町、弥栄村と合併して新市制による浜田市が誕生している。
次回は、「江津、江の川」